2018年5月15日

太陽光投資に大きく影響!?最近よく聞く「RE100」って何?

RE100

アメリカと北朝鮮との間で非核化に向けた会談が決まりましたが、世界のリスクは核問題だけではありません。

とりわけ産業界における最大の危機は、「気候変動リスク」と言われています。温暖化による海面上昇や異常気象などが、ビジネスに与える影響は計り知れません。

“脱炭素革命”は世界各国で既に活発化しており、日本は現在のところ取り残されている……、というのが現実ですが、そんな日本においても今注目され始めているのが「RE100」なのです。

RE100とは

2014年に発足された国際イニシアチブで、RE100の加盟企業は事業活動に必要な電力を全て再生可能エネルギーでまかなうことを宣言する必要があります。

ちなみに再生可能エネルギーとは、自然由来の「風力」・「太陽光」・「地熱」・「バイオマス」・「水力」の5つのエネルギー。原子力と火力は含まれません。

再生可能エネルギー

加盟企業は欧米を中心としたリーディングカンパニー

公式HPによると、現在までに世界で131の企業・グループRE100に加盟。

加盟企業の顔ぶれは、グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、アップル、コカ・コーラ、ナイキ、スターバックス、ネスレ、ウォルマート、P&G、ゼネラルモータズ、BMW、ING、citiHSBC、モルガン・スタンレーなど、世界をリードする一流企業・グループばかり。

日本企業はというと、現時点で6社。20174月にリコーが日本で初めての加盟企業となり、その後、積水ハウス、アスクル、大和ハウス工業、イオン、ワタミと続いています。

アップルは早くも100%再生可能エネルギー化に成功

RE100では、“特定の年までに”という決まりはありますが、再エネ100%達成の期限を設けていません。達成目標は各企業に委ねられています。

例えば、家具メーカー大手のIKEA2020年までに建物で使用する電力総量の再生可能エネルギーを生産する宣言をしています。

日本では、リコーが2050年までにCO2排出量ゼロを目標に設定。アスクルは2030年までに再生可能エネルギーの100%調達をコミットしています。

そんな中、他の企業よりも一歩先を行っているのは、IT大手のアップル。既に世界中の自社施設で使用する電力を100%再生可能エネルギー化することに成功しており、今後はサプライヤーにも再エネ100%を求めていく姿勢です。

企業・グループがRE100に加盟する理由

ESG投資の機会を最大化するために

「脱炭素社会の実現で、地球環境を守りたい!」という理由が一番でしょう。が、その裏にはしっかりビジネス的思惑(巨額投資マネーの争奪戦)が渦巻いています。

世界の金融機関は、化石燃料産業からの投資撤退(ダイベストメント)を加速しており、環境に優しいエネルギーで事業運営することは重要な投資指標となっています。いわゆるESG投資(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)です。

RE100の加盟企業として認められれば、資金調達の可能性が格段に広がるのです。

ESG投資

あと数十年で枯渇が心配されている化石燃料に投資するよりも、環境改善をもたらす再生可能エネルギーに投資するのは、普通に考えれば当然の流れでしょう。

最近の大きなESG投資としては、今年4月、ウェルズ・ファーゴが気候変動対応やサステナビリティ推進の分野に2000億米ドル(約22兆円)、モルガン・スタンレーが低炭素分野に2500億米ドル(約27兆円)の投融資を発表。投資スケールから、本気度が伝わってきます。

日本におけるRE100と太陽光投資の関係は?

RE100に加盟できれば、エンドユーザーや投資家、それこそ世界中の注目を集められるわけですが、日本では事業活動を100%再生可能エネエルギーで賄うのは困難な状況です。

日本で再生可能エネルギーといえば、2012年から国が推進してきたFIT制度下にあるエネルギーが大半ですが、現時点で日本ではFIT電力の活用が認められていません。このことがRE100加盟の大きな足枷となっています。

背景には、FIT電力の普及に国民の賦課金が使われていることがあります。FIT電力が持つ非化石価値は国民に還元すべきという理論で、これは正論でしょう。

ただ一方で、環境問題で先行しているドイツではFIT電力を利用できる仕組みを取り入れていることも、また事実です。RE100では、各国の制度を前提に再生可能エネルギー利用の証明を判断しているため、日本とドイツではRE100加盟に向けたハードルの高さが異なるのです。

新電力の成長に期待!2019年がターニングポイント

日本企業が欲している100%再生可能エネルギーを供給していく役割を担うのは、新電力です。大手電力会社のように原子力発電所や火力発電所を所有していないため、しがらみを受けることなく電力商品構成を再エネに振りきることができます。

そして新電力が飛躍できるかどうかの転換期は、家庭用太陽光のFIT期限が切れる2019年でしょう。

新電力がFIT期限切れの家庭用太陽光をスケール感を持って収集し、それらの100%再生可能エネルギーに対して、企業を中心とした需要家がどれほどの価値で迎え入れるのか。

2019年の動向により、産業用太陽光のポジションも明確になり、20年間のFIT期限が切れた後、どのような運用の可能性が広がっていくのかを、より具体的に想像できるようになるはず。そしてこれは、遠くない未来です。

まとめ

世界のビジネスの本流は、圧倒的に脱炭素社会へ移行しています。いつまでも日本企業だけがソッポを向き続けることはできません。

今以上にRE100が日本で脚光を浴びるのは間違いなく、同調するように再エネ100%調達の軸となる産業用太陽光の価値は高まっていくでしょう。

そうなると願いたいですし、当社(イデアスタイル )も微力ながら再生可能エネルギーの発展に貢献していきます!日本のためにも、そして地球環境のためにも。

地球を守る

 

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